Archive of Big Bazaar (2020.09.21)


ブースにお立ち寄りの皆様、お求めくださった皆々様、ありがとうございました。秋めいてきた9月、3月以来、本当に久しぶりのBBが開催されました。今回は直前まで出す予定はなかったのですが、会場面積を2倍にして対策するということで、賑やかしに1テーブルだけこっそり出すことにしました。ここでは、イベントのアーカイブとして、今回持って行った植物を紹介して行きます。

Post of the previous day

今回は、直前の準備で深く考える暇もなく、目についたお気に入りを、20鉢ほどだけ、持っていくことにしました。他とはかぶることのないラインナップ。ここでしか手に入らないSpecial selection。

1. Aloe flreurentiniorum

イラフェンシスが好きなら、これも好きに違いない。フレウレンティニオラム。アラビアにいくつか分布する対生アロエの一種。この株は、私がヨーロッパ旅行中に探してきた実生苗のひとつだった。買った時には濃い真緑だったが、この夏温室の日当たりのよい場所で過ごして、艶っぽく真っ赤に。葉縁はほとんど滑らかで、鋸歯は先端部以外ほとんど無い。皮が厚く、硬質で、独特のアロエ。つい撫でてしまう。これも鋭い方々に注目で、すぐ出てしまいました。

2. Aloe rebmannii

アロエ レブマンニー。マダガスカル南部に分布する、小型のアロエだ。2002年にAloe hoffmanniiと同じくして記載されており、比較的新しい。色んな特徴の個体があるが、この個体は葉が細く、濃い紫で、鋸歯が朱色。原種とは思えないほど、印象の強い種だ。最近、個人的に見直してる種類で、交配親としても、なかなか面白いのではないかと。小型種で、株際から子をふいて群生する。今回植え替え時に株分けした株を大小4,5鉢持っていきましたが、すぐに出てしまって大人気。納得。

3. Euphorbia obesa
monstrosa

モンストの素晴らしい個体。当日何人ものかたがお尋ねに、先日一番注目された株だったかもしれない。会も半ば、一度はやっぱりやめておく..、とされた方が、終了間際やはり買うべきだ!とお越しに。次あるかと言われたら、ないものですからね。一期一会でした。モンストでありながら、ここまで上品な株はありません。下に一玉あって、上でモンスト化/綴化というのが最上のバランス。真夏も直射で、肌色は青白いほど。最高の株に違いないね。


4. Haworthia floribunda
, Heiderberg

Heiderberg産として購入した個体。2株育てているので、1株だけ持っていくことに。一見して、何かの交配種か?と思うような雰囲気で、葉も硬めでソルディダのような感じがする。フロリブンダのTLであるHeiderbergには、共在するH. turgidaなどとの自然交配種が存在するという。他にもH. pygmaeaなどとの交配もあり、なかなか面白い顔をしていた。このあたりそのうち記事にまとめます。

5. Haworthia cv. ‘縞蜘蛛’

オールドスクールな日本の交配作出品。命名から数十年前のしろもの。3方向にだけ律儀に葉を展開していく。ニグラやビスコーサよりも葉が長くて、印象はずいぶん違う。こういうの、’縞蜘蛛’なんて、クラシックな名前も、忘れ去られて消えてしまう。こういう面白い品種は次の世代に引き継いでいかないとね。古すぎてもはや新しい。

6. Haworthia viscosa

艶葉で滑らかな葉の個体。ニグラみたいに黒くなることはなく、日に焼ければ赤みが増す。原種。無駄のないエレガントなデザインで、好き者の心に響く。


7. Haworthia aranea
(Di-wedged-rock style)

個人的なハオルチア第一は、やはりレース系。アラネアもギガスも、強光で葉先が焼けるぐらいが一番かっこいい。両脇から2つ(Di-)の石挟まれるスタイルで、楕円形になっている。wedged-(挟まれる)スタイルは、自然界でもやはり一般的で、そういう場所に種子がこぼれて生えてしまったなら仕方ない。でも綺麗な成型よりも、こっちの歪な姿にむしろ惹かれる。

8. Haworthia aranea
(Tri-wedged-rock style)

同じくアラネア。こちらは3方から(Tri-)石に挟まれるスタイル。球体が成長するに従い、差し迫って変形してくる。次第におにぎり型にゆがんできて、これからますます面白くなるだろう。

9. Echidnopsis hybrid
(watsonii×?)

今回は、ガガイモの面白いのをいくつか持って行った。会場の反応を見るに、エキドノプシスという植物は、まだまだ知られていない感じ。プセウドリトスに代表されるような、東アフリカのガガイモの仲間だ。エキドノプシスの類は、’這う’タイプの植物で、茎の接地したどの部分からでも根を出してくる。黒錆のような肌に、点々と続く白いスポット(これは葉跡で、小さな葉が落ちた跡)が美しい。


10. Echidnopsis hybrid
(watsonii×?)(Rock-underlay style)

岩下から這い出るように(Rock-underlay style)。自然界でもなにかしら岩の下や、隙間の岩陰に生えていることは多い。株際が、強い日差しから守られるし、適度な日陰ができて、居心地が良い。岩下から飛び出た部分が万が一、焼けたり食害されても、岩の下にある基部からまた復活もできるかもしれない。

11. Huernia zebrina
variegated


タイダイ染めみたいなカラーの斑入りフエルニア。ゼブラの名の通り、縞々の花を咲かせる。こういうカルティバーをHabitat seriesで仕立てるのも面白いやり方だ。

12. Echidnopsis ericiflora (Rock-underlay style)

これも同様、石の下から這い出るスタイル(Rock-underlay style)に配置したエキドノプシス。これは近畿南部の山に登った時に、私が採集した石を配置してある。これが面白い石で、さざれ石のように礫がセメントで固まったようになっている。いくつか礫がはずれて抜けて、面白く凹んだ表情になっている。そのくぼみに枝が入り込んだり、ぐるり様々な表情が見られて面白い。当日も注目の一鉢でした。


13. Monadenium reflexum, Mandera

モナデニウムKenyaとSomalia, Ethiopiaの3角地帯Mandera産のレフレクサム。完全に活着した結構な株です。輸入の時の死着を思うと、胸が痛むけど、その中でのこういう数少ない生き残りは本当に値打ちあるし、(まだ注目されていないというだけで)マイナー視される種こそ、大事に維持していかないとね。ヨダレものの、手元にあるのがありがたい種だ。

 

 

 

 




-Fin-